一日葬

千葉全域で主流となりつつある家族葬。知人や近隣、会社関係等に訃報を知らせず、家族と近親者のみで通夜、告別式を執り行う形式で、僧侶に読経をしていただく所謂、仏式であったり、または僧侶を呼ばずに自由に葬儀を行う形式と、家族葬とは言っても形式は様々です。焼香のかわりに献花をしたり、故人の好きであった音楽を流したり、または演奏者を入れて生演奏したりと遺族の要望も様々です。

家族葬と同様に近年増えつつあるのが一日葬です。家族、近親者で葬儀を行うといった点は同じですが、一日だけで葬儀を終わらせてしまう形式です。通常、葬儀といえば前日夜に行う通夜があり、その翌日には葬儀、告別式、そして火葬と２日間かけて行うものです。仏式、神式、キリスト教や無宗教など、昔から葬儀形式は様々ありましたが、葬儀を１日間で終わらせてしまう新しいスタイルは、ここ数年で劇的に増えているのが現状です。通夜の儀式、通夜振舞い等を省略して、本来の葬儀、告別式だけを行うことがほとんどです。それに合わせて参列する遺族、親近者が定刻まで葬儀場へ行き、一連の儀式を仏式か無宗教かで行うケースが多くなっています。宗教的問題からみた一日葬への意見は宗教者により様々だと思いますが、大抵遺族が望んだ形式なら菩提寺として葬儀、告別式開式の定刻前に葬儀場へ足を運ぶお寺様が多いです。

弊社でも近年だけではなく時代のニーズに合わせて、以前からもご要望があれば一日葬を承ってきました。今でこそほとんどが葬儀場で行うことが多いですが、昔はご自宅や集会場で行ったりしたケースもありました。そのような流れに伴い、一日葬専用の葬儀プランも作りました。

そのような一日葬ですが、家族葬同様に問題点も多々あります。通夜を行わないのはどうなのか、お坊さんを呼ばないのはどうなのか、集まる親近者の意見と葬儀を執り行う喪主側との意見の相違も多々見受けられます。また先に述べたように宗教者の考え方も多様ですし、そのような形式では葬儀をあげられないといったお寺様もいらっしゃることもあります。

また親近者のみでなく、亡くなった故人の知人、近隣の方へ訃報を知らせない点も、葬儀後の問題点としてあげられます。死亡を知らせてもらえなかったことや、最後の儀式には参列したかった等の意見も聞くことが多いです。

時代の新しいスタイルとしての一日葬。葬儀後の問題点を考慮しつつ、葬儀を送り出す側としての意思をしっかり持つことが重要です。そして何より大事なことは故人の遺志を尊重し、旅立つ故人、送り出す側とがしっかりと最後のお別れと儀式を行うことだと思います。