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コラム エピローグ <偉人たちの最期> presented by 雅倶楽部 2019年9月3日掲載

【悪魔的ニート】共産主義のバイブル『資本論』の「マルクス」はブルジョワのヒモだった? <知識人たちの最期>

ベルリン大学の総長を努めたドイツの大哲学者「ヘーゲル」。共産主義のバイブル『資本論』を著した「マルクス」。
『俺を理解できるやつはいない!』…等々、天才ゆえの傲慢さは有名です。本稿では、知識人たちの最期の言葉を追います。

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ヘーゲル

ゲオルク・ヴィルヘルム・フリードリヒ・ヘーゲル
(1770年 - 1831年、享年61歳)
死因
コレラ
最期の言葉「おれの学生たちの中で、おれを理解したものはたった一人だった」

人類の歴史の転換点のひとつでもあった、19世紀前半のドイツを代表する大哲学者がヘーゲルです。

1837年11月、ドイツで大流行していたコレラに感染して亡くなりました。

ベルリン大学では総長を務め、死の直前まで、多くの学生たちに哲学を教授していました。

しかし・・・・・・彼の本は、難しすぎて「読んでもわからない」と当時から評判だったようです。

そんなことで大哲学者の名誉を得たとしても、うれしくないという気持ちはわかります。

現代日本でも、ヘーゲルの本は「言い回しが難しく、何を言っているのかさっぱり意味がわからない」からこそ、興味を持たれ、出版不況でも「売れる」という実に奇妙な理屈で人気があったりします。

ヘーゲル教授の最後の言葉には、ボヤキめいた続きがありました。

「しかし、そのたった一人の男もまた、完全にはおれを理解しはしなかった」

結局、だれ一人、じぶんの哲学をわかってもらえなかった・・・・・・とつぶやき、人類史上最高の知性の持ち主といわれたヘーゲルは亡くなりました。

「わかりやすく書けばいいのに」と思うかも知れませんが、わかりにくい原文と、わかりやすく書き直したリライト版は、厳密には別物。

哲学とはそういう言葉の言い回しにこだわる学問なのです。

賢すぎるのも、自分と同じレベルで理解しあえる相手を持てないということ。

絶対的な孤独を感じさせる名言です。

カール・マルクス

カール・マルクス
(1818年 - 1883年、享年65歳)
死因
肺結核
最期の言葉「ここから出て行け! 最後の言葉が必要なのは生前、十分に語りつくさなかった馬鹿者だけだ」

共産主義のバイブル『資本論』。
19世紀末~20世紀にかけて、数々の革命運動を突き動かした本です。

しかし、革命家全員がこの長大で、難解な本を理解していたとはとても言えないでしょう。

そもそもマルクス自身が全部、『資本論』を読み通していないのですからね。

・・・・・・というのも、マルクスが仕上げられたのは『資本論』の一巻のみ。

ライフワークの仕事途中で生命が尽きてしまったのに、死に際には「わが人生に一片の悔いもない」式に「言い残したい言葉など、ない!」と一喝、そのまま死んでしまったのでした。 

それ以降を粘り強く完成させたのは弟子のエンゲルスでしたし、生前のマルクスはまったくカネになるような労働をしないので、彼の世話をしていたのもエンゲルスでした。

エンゲルスは裕福な工場経営者でした。つまりブルジョワ。

そんなエンゲルスの「ヒモ」になるまでのマルクスを支えたのは、まずは親の遺産。それから貴族の出の妻でした。

社会主義者といえば、庶民の味方かとおもいきや、違いますねー。

資本論の表紙(1867年発行)

革命の必然性を説いた『資本論』の著者・マルクスは、貴族の妻や、ブルジョワの弟子に養われるだけの「悪魔のようなニート」だったのです。

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