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コラム 葬儀業界分析2018 2018年7月24日掲載

[1] 2040年には2兆7169億円?!死者推計から探る葬儀業界の未来

葬儀業界の市場規模はどこまで膨らむのか?経済産業省発表の最新資料「平成29年特定サービス産業実態調査」をもとに2065年までの年間売り上げ推移を算出・分析いたします。

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こんにちは。有馬陽介です。

日本の死者数は「増える」・・・と言われておりますが、それによって葬儀業界にはどんな影響があるのでしょうか。

業界構造、事業参入者、売上、従業員…などなど影響範囲は多岐にわたることは間違いありません。

葬儀業界に携わるものとして現時点で拾える数字を見つつ、今後をチラ見(予見)してみたいと思います。

最新!2017年の市場規模(速報値)


出展:「平成29年 特定サービス産業実態調査(速報)」/ 経済産業省

経済産業省作成の「平成29年 特定サービス産業実態調査(速報) 平成30年6月21日」によると、平成29年における冠婚葬祭業の年間売上高は2兆784億円とのこと。(「冠婚葬祭業」には葬儀以外も含みますが、その大部分が葬儀業の売上高となります。)

平成25年発表の資料では【2兆1584億円】となっていたので、昨年はやや減少といったところでしょうか。

ちなみに、他の市場規模をみてみると

  • 新聞業界:2兆171億円
  • 出版業界:1兆7931億円

となっており、冠婚葬祭業は一大産業であることがわかります。

売上高は拡大基調、ただし葬儀業者の数は増加しパイの奪い合いに

2040年まで拡大傾向の葬儀業界ですが、葬儀業者の売上も増えるのか?というと決してそうではありません。

平成28年(2016)から平成29年(2017)を比較すると、1年間で約70事業所が増加しており、1事業所あたりの売上は年間約3,000万円近く減少しています。

年率で言えば、事業所の数は前年比で約3%以上の増加。

このままいくと、1事業所あたりの売上は減少傾向になることは間違いないでしょう。

ただ、全ての事業所がこの減少傾向に当てはまるかのように思えるのですが、実はそうでは無いことがわかっています。

・・・というわけで続きは、第2話「【葬儀業界分析2018】葬儀費用の単価は下落傾向…でも大手の売上はあがってるってホント?!」へ!

日本の葬儀業界…これからの売上規模やいかに?

葬儀業界は言うまでもなく「死者(数)」と密接なつながりがあります。
では、日本における死亡者数はどのくらいの数になるのでしょうか?

出展:「平成29年版高齢社会白書(全体版)」/内閣府

内閣府発表の「平成29年版高齢社会白書(全体版)」によると平成32年(2020年)の死亡者数推計は141万人。
平成57年(2045年)には死亡者推計165.2万人とピークを迎え、以降は漸減傾向・・・とのことで当面は死者数が増加することは間違いありません。

死亡者数が増加するということは、葬儀業界の市場規模も拡大する…と考えられますが、本当にそうなのでしょうか。

というわけで、各省庁からバラバラに提供されているデータを組み合わせて葬儀業界の今後を占ってみたいと思います。

1件あたりの葬儀費用は140万円?!

まずは、1件あたりの葬儀費用を算出してみたいと思います。

世間的に有名な調査データに日本消費者協会が行う『葬儀についてのアンケート調査』なるものがあります。
第11回の調査結果として2017年のデータが公表されていたのですが、金額は195.7万円となっておりました。

内訳
金額
葬儀一式費用
121.4万円
飲食接待費
30.6万円
寺院費用
47.3万円
合計
195.7万円

この数値には諸説紛々ありますが、現場感からいっても「ちょっと高いな」といった印象は否めません。

というわけで、今回はこのデータは不採用。ではどうするか?

出展:特定サービス産業動態統計調査「葬儀業」長期データ/経済産業省

より実態に近い数字を使うため、経済産業省が毎月定期的に葬儀業界各社にアンケートを依頼し回答データを集計している「特定サービス産業動態統計調査」の葬儀カテゴリのデータを利用したいと思います。

このデータには「売上高」と「葬儀実施件数」が掲載されているのですが、このデータをもとに1件あたりの葬儀費用単価を算出します(売上高はアンケートの回答に基づいた実数値のため、同じ経済産業省発表の2兆円超の市場規模額とは異なっています)。

直近5年を見てもわかるとおり、葬儀費用の実施1回あたりの単価はおおむね140万円前後におさまっているようでした。

葬儀会社の利用率を起点に今後の売上高を予測する

死者数(平成32年以降は内閣府「平成29年版高齢社会白書(全体版)」発表の推定値)に対して、葬儀実施件数がどのくらいの率になっているのかを算出します。

地域によっては、村や寄合などの単位で葬儀を執り行うところもあり、すべての死者が葬儀会社を通して「葬儀をする」というわけではありません。

とはいえ、ここで出ている値は平均して約33%前後。かなり低めなのは、ここで使っている「葬儀実施件数」があくまでアンケートに回答した企業の値であるためです。

さて、「仮」ではありますが、ここで葬儀会社の利用率を33%で固定します。

平成32年以降の推定者数に適用してみると、「葬儀実績件数」を導き出せます(オレンジ色塗りつぶし)。

さらに、前項で算出した1件あたりの葬儀実施費用を「140万円」と仮定します。

さてどうなるか・・・

おおまかな売上高(緑色塗りつぶし部分)を出すことができました。

現在、経済産業省の「特定サービス産業動態統計調査」に協力している企業のデータを基準とすると、葬儀業界の売上は上図の通りとなりました。
さてさて・・・、さらにこれを業界全体規模で見るためにデータに手を入れてみます。

「葬儀業」の市場規模の実数は、省庁から平成25年と平成29年のものが発表されていたので、表中に入れ込んでみました。

さらに、「特定サービス産業動態統計調査」のアンケートに協力・回答している企業の売上高が市場規模に対してどれくらいの占有率なのかも出してみます。

なるほど・・・平成25年は全体の27.7%程度の売上を持つ企業が回答。平成29年は29.4%程度の売上を持つ企業が回答している・・・と見ることができます。

もし、占有率を確定させることができれば、市場規模も推測することができそうです。

というわけで、今回は【27.7%】と【29.4%】の間をとって【28.55%】を占有率として固定してみます。

さらに、この「売上高」がもし占有率が100%だった場合を算出してみると・・・

でましたでました!

死者推計数のピーク年である2040年に市場規模は「2兆7,169億円」と算出することができました。

本来はもっと簡単な算出方法があるとは思いますが、あくまで「実態の数値をもとにする」という点から、やや煩雑な市場規模の算出の仕方となりました。

また、インフレ等の経済環境に起因する変数は一切考慮していない点、ご了承いただければと思います。

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